豪ドル/円相場は、83円台後半まで値位置を切り上げる展開になっている。11月6日に開催されたオーストラリア準備銀行(RBA)金融政策決定会合において、マーケット一部予想に反して追加利下げが見送られたことも、豪ドルに対してはポジティブ要因になっている。
RBA政策会合であるが、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標は3.25%で据え置くことが決定された。マーケットでは、世界経済の減速懸念を背景に追加利下げに踏み切るとの見方も優勢だったが、スーティンブンス総裁は「米国が緩やかな成長を記録する一方、中国の最近の指標は同国の成長が安定してきたことを示唆している」と指摘して、追加利下げは急ぐ必要が無いと判断した模様だ。鉄鉱石価格は、中国のインフラ投資計画発表を受けて安値から大きく切り返しており、米雇用環境についても改善傾向が確認されている。まだ追加利下げの可能性を払拭するのは時期尚早であるが、先進国の中では政策金利が最高水準に位置することになり、リスク投資の地合さえ安定化すれば、豪ドルは買われ易い地合にある。
そのリスク投資環境であるが、米大統領選挙後の地合改善を予測する向きが増えている。いずれの候補が当選するにしても、経済政策の方向性が定まれば、投資の不確実性が後退するとの見方が優勢になっている。早期に時期大統領が決まらないリスクも残されるが、豪ドルはやや買われ易い地合になっている。株価との比較的強い連動性が維持されよう。
今後1週間の予想レンジは、82.50~85.00円。